人工透析とは

人工透析のイメージ画像

腎臓は、老廃物の排泄や水分・電解質バランスの調節、造血刺激ホルモンの分泌、ビタミンDの活性化、血圧の調節など、健康な生活を送る上で欠かせない働きをしてくれる臓器です。
特に尿を生成し体外へ排出することで血液をきれいにする濾過機能をもつため、体内の健康バランスを保つ上で重要な機能と言えます。
病気や疾患で腎臓の機能が低下しダメージと機能回復のバランスが崩れてしまうと慢性腎不全を発症してしまいます。
慢性腎不全になると、腎臓の機能の大半が失われてしまうため人工的に不要な水分や物質を体外に出し、尿毒素に汚染された血液をきれいにして体内に戻す治療が必要となります。
それが人工透析治療(血液透析治療)です。人工透析とは腎不全の末期症状において低下した腎機能を人工的に代用する治療のことです。

慢性腎不全の原因と疾患

慢性糸球体腎炎

慢性糸球体腎炎は、腎臓病の中でも最も多いものとして知られ、1つの病気ではなくさまざまな病気の総称です。血尿、蛋白尿が1年以上長期にわたり続いたり、あるいは急性糸球体腎炎が治らないで慢性化する糸球体の病気のことです。

症状は病気のタイプによって様々です。

IgA腎症

症状としては、尿に血が混じったり、蛋白尿がでたりします。未治療の場合、約4割の方が腎臓の機能が悪化し、透析となってしまう予後不良の疾患ですがその発症原因は未だ不明です。IgA腎症は、何らかの理由でIgAと呼ばれる蛋白質の一種が増加し、腎臓にある網目状の糸球体の組織がふさがることにより尿毒素が濾過できなくなる状態のことを言います。
糸球体は腎臓一つに約100万個ありますが、この内どれぐらいの糸球体がIgAによりふさがってしまったかによって病気の進行をはかることができます。
例えば30%の糸球体が機能しなくなった場合でも、残りの70%の糸球体の働きにより機能を保つことで、検査結果や自覚症状共に異常がないことがあります。
しかし、機能しない糸球体が50%を過ぎると残りの糸球体では回復しきれなくなり、身体のだるさ、貧血などの症状があらわれます。

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群は、何らかの原因で蛋白質を血液中から尿へと放出しやすくなってしまい、身体のむくみなどが出やすくなる状態を言います。
発症のメカニズムは不明ですが、花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎などアレルギーのある方に比較的多くみられます。急にたくさんの蛋白が尿中へと漏れ出し血管内は脱水になるため、腎臓の働きが急激に悪化して一時的に尿が出にくくなることもあります。
厳密には病気や疾患というより、蛋白尿が出やすくなる症状の総称です。

糖尿病性腎症

糖尿病性腎症は、糖尿病の合併症のひとつで、高血糖、低血糖の頻発など、糖尿病の悪化により毛細血管が痛み、それがきっかけとなって引き起こされると言われています。
糖尿病の症状とさらに腎機能が失われ老廃物が体に溜まり、むくみ、頭痛、高血圧、顔色が悪くなるなどの症状があらわれます。早期発見・治療が重要であり、早期診断のために検尿、尿アルブミン測定が必要となります。

腎硬化症

高血圧が長期間つづくと腎臓の血管に動脈硬化症が現れ、血管の内腔が狭くなり、腎臓へ流れる血液量が減少することで、腎臓そのものが硬くなり機能障害が起こります。
腎硬化症には病気の進行が遅い良性腎硬化症と急速に症状が悪化する悪性腎硬化症の2つのタイプがあります。良性腎硬化症は動脈硬化症が大きな発症要因ですが、悪性腎硬化症は明確な原因はまだ解明されていません。
なお腎機能が低下してむくみなどの症状がなければ特別な食事制限などは必要ありませんが、高血圧やむくみ、動脈硬化が進行している場合などは塩分や蛋白質などの摂取をコントロールする必要があります。

人工透析による治療について

慢性腎不全の治療では、体内で不要な水分や物質を体外に出し、尿毒素に汚染された血液をきれいにして体内に戻す手段が必要となりますが、その治療こそが人工透析治療(血液透析治療)です。
実際には人工腎臓と呼ばれる「ダイアライザー」に体内の血液を送り、本来腎臓が果たすべき機能の一部である水分の除去や老廃物質・有害物質の除去、電解質の濃度調節、血液pHの改善を行い、血液をきれいにして体内に戻す治療を行います。
人工透析は症状により異なりますが、平均週3回程度、1回約4~5時間行われるのが一般的です。

臨時透析について

旅行、出張、帰省などで臨時透析を希望される方はお気軽にご相談ください。
事前に、ご予約をお願いいたします。
TEL.055-269-7315
アルプス腎クリニック

人工透析開始の流れ

1.お問い合わせ

まずはお気軽にお問い合わせください。見学日のご予約をしていただきます。また透析治療が初めての方はご不明点があればご相談ください。

2.院内見学

院内の見学は、予約制で随時行っております。 当院の施設をご案内させて頂き、設備に関してのご質問などもお受けします。

3.スケジュール策定

お仕事の予定など、患者様ごとの生活をお伺いして透析治療のスケジュールを一緒に考えていきます。

4.オリエンテーション

当院にて治療を行っていくことをお決め頂きましたら、オリエンテーションにて通院に必要な物などのご案内をさせて頂きます。

5.人工透析開始

策定したスケジュールに基き、週3日、1回約4~5時間の透析治療を行います。

送迎について

当院では、人工透析(血液透析)をお受けになっている患者様の送迎を行っております。
なお透析をお受けになっていない患者様の送迎は行っておりませんのであらかじめご了承ください。

送迎の対象となる方

送迎を行う上での注意事項

医療法人社団 アルプス腎クリニック概要

院長
松下和通
診療内容
(診療科目)
人工透析内科・腎臓内科・泌尿器科
住所
〒400-0211
南アルプス市上今諏訪732-2
最寄駅
中央本線竜王駅、身延線常永駅
山梨交通バス 上今諏訪バス停(徒歩4分)
電話番号
055-269-7315
FAX
055-269-7316
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